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昭和三十年頃の結婚準備
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住生活の準備
住生活の準備
この項で考えたいのは、衣料関係、食品関係の準備を除いた、そのほかの準備。
したがって、たいへん範囲が広く、いわゆる住まいのための用具-家具調度の類から広くこまぜまとした日用品にまでおよんでいます。
そこで問題になるのが、それらを入れるカラ-住居の広さとか、設備とか、様式などですが、ここでは現在最も普通に多いと思う住宅の状態を思い浮かべながらか何が必要になるかを考えてみました。
A何をそろえたか
ここに昭和三十四年度に結婚して、東京都の板橋区、墨田区、杉並区、目黒区、新宿区にそれぞれお住まいの新家庭に、「新家庭のために何をそろえたか」ということで、アンケートを求めたものがあります。
いろいろそろえた竜のの回答が寄せられ.たのですが、だれがそれをそろえたのか、ということを調べてみるとー
○大部分を新郎の親がそろえ、一部を新婦の親がそろえた。
○新郎と新婦の親が、だいたい半分ずつそろえた。
○大部分を新郎がそろえ、新婦が一部をそろえた。
○新郎と新婦がだいたい半分ずつそろえた。
○婚約時代から二人で計画して、少しずつ共同してそろえ、結婚後も買い足した。というように、一定ではないようです。
もとは、大部分を新郎の親がそろえ、一部を新婦の親がそろえるか、新郎と新婦の親がだいたい半分ずつそろえた、という場合が多かったようですが、最近では少しずつそれが変わってきているようです。
一回お見合いをして、それですぐ結婚するのではなく、たとえ見合い結婚でも、最近では少し交際期間をおいてから結婚するということが多くなってきたためか。
あるいは、男性ばかりではなく、結婚前に女性も勤めに出て経済力をもうことが多くなったためか。
当人どうしが話し合って必要な品物をそろえるということが多くなってきたようです。
それで自然に、親から出してもらっても双方同じ程度にするとか、いっさい親の援助を受けずに、二人の共同の力でそろえようとい.う風潮が、ことに都市では強いようです。
さて、このアンケートの中から、そろえた件数の多いものから順に二〇ほど選んでみましよう。
鏡台(三面鏡、姫鏡台を含む)
洋服だんす
和だんす(桐だんすを含む)
食器戸棚(茶だんすを含む)
ミシン
整理だんす
電気せんたく機
ゲタ箱
机(いすつきの書机も含む)
ラジオ(トランジスターも含む)
応接セット(テーブルといす)
テレビ
ベビーだんす
本棚(本箱を含む)
べッド(ソファーベッドを含む)
食卓といす
電気冷蔵庫
針箱
アイロン
電気ごたつ
ストーブ類(電気、ガス、石油)
と、だいたいこういう品物になります。
第一位の鏡台というのは、なにも鏡は女の魂だから、といった昔のことわざを持ち出さなくても、装い、化粧するための必需品として、うなずけるような気がします。
次の第二位から第一〇位までを見ると、ミシン、電気せんたく機、机、ラジオを除ぐと、いずれも、いわゆる収納家具とよばれているものー物をしまうための家具ということになっています。
この結果はおのずから、住生活への準備として何が必要なのか、という解答を、与えてくれているようにも思えるのですが
住生活への準備として、何が必要なのか-このことについて、女流建筑木家のグループはやしまさごやまだはつえなかはらのぶご設計同人の林雅子、山田初江、申原暢子の各氏に伺ってみま七た。
B何が必要か
まず、新しく家庭をもって、二人の生活を始めてゆく場合、最小限度として、何が必要になるかを考えてみましょう。
ただし、衣食関係は、ここでは除いておきます。
家庭生活をするために使う用具を便宜上、日用品と、それ以外の家具とに分けてみましよう。
この日用品というのは、日常生活であまり気にもとめずに使っている、いろいろζまごましたもののことで、その家の生活程度にそ・れほど強く左右されずに、必要になるものが多いのです。
それで、この日用品は、だいたい一そろい準備しなければならないわけですが、その一つ一つの価格はそれほど高価なものは少ないので、結婚してから、それらが必要になったときに、気軽に買いに行ったり、両親の家から分けてもらったり、ということもできましょう。
このことから、新家庭の準備をするときには、日用品を買うより、もっと高価で、結婚してからはあまり買うチャンスの多くないと思われる家具をそろえたほうらいい、という考え方の人も多いのです。
そこで、この家具についでですが、極端なことをいえば、ものをしまうための家具と食事をするための台ーテーブルでも、脚の折りたためるチャブ台でもよいわけですがーがあればよいことになります。
これだけでも、家庭生活をつづけてゆけないことはないわけです。
和だんす一つに、チャブ台一つ。
どうしても余裕がなければ、これで新世帯を張ることだって、できないことではありますまい。
余裕がでてきたときに、この二つの家具からいろいろな用途をとり出して、それ専門の家具を買い足してゆくことになります。
今まで、洋服類を折りだ浸んで、和だんすに入九ていたのが、折らずにそのままつるしてしまっておける洋服だんすを買い足すとか、下着、はだ着類がふえれば、別にそれ専門の整理だんすを買い足すとか、など。
また、今まで棚や箱にしまっていた食器類をしまうための食器戸棚を買い足すとか、はきもの入れとか、本箱、書棚などを買い足すなど、しまうための家具を、いろいろとふやしてゆくわけです。
一方、食べるための台iチャブ台からは、この上で家計簿や手紙を書いていたのを独立させて、書くための台-書机を買い足すことになります。
次の段階としては、今までゴロンと寝ころんでいたのが、くつろいで休息するためのいナだほしいとか、そのいすのそばにテーブルがほしいとかいう希望が出てきます。
また、住居の様式によっては、今までの畳を主体とした「すわる」生活から、床を主体とした「腰かける」生活をしなければならなくなるかも知れません。
そうなれば、食事をするための台ーチャブ台ではなくて、食卓テーブルといすが必要になりますし、ものを書く台-書机も、書斎桃といすがいることになります。
寝るためにも、ふとんではなくて、ペッドが必要になるというわけです。
こうして、だんだんと必要な家具がふえてゆくわけですが、これらの段階のうちでも、どんな住居でどんな生活様式の薪家庭をつくるか、によって「新生活の準備」として必要なものが違ってくると思うのです。
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